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コンサル転職の履歴書フォーマットは何を使うべきか

The meaning of life is to find your gift. The purpose of life is to give it away.
Pablo Picasso

人生の意味は、自分の才能を見つけること。人生の目的はそれを解き放つこと。 

パブロ・ピカソ

外資コンサルに応募しようと思うのですが、書類選考のフォーマット指定がありません。応募書類には何を書けばよいのでしょうか?

通常、転職活動で用意する書類は他の企業と同様に履歴書と職務経歴書の2種類です。英文レジュメが必要な場合もありますが、国内で選考に挑戦するのなら、ひとまずこの二つを用意しておけばよいでしょう。

面接官を担当しているとさまざまなタイプのフォーマットを見かけます。いろいろと見てきた実感として、利用している書類フォーマットの良し悪しによって評価が変わるということは基本的にありません。従って、市販されているものや転職サイトが提供しているような一般的なフォーマットを利用すればまず問題ないと思います。

とはいえ、中には自作のフォーマットを使っているために基本的な情報が抜け落ちていたり、書類の構成や内容が悪いためにネガティブな印象を持ってしまうものを見かけるのも事実です。そこで、この記事ではそういった筋の悪い職務経歴の書き方を防ぐためのポイントについて書いてみたいと思います。

フォームはなんでもよいが奇を衒うな

世の中の転職サイトが用意しているフォーマットであれば、どれを使っても基本的に大丈夫です。どの会社も過去の実績をベースに必要な情報を選別しているため、結果、どれも似たようなフォーマットに落ち着いているからです。

面接官をしていると、いろんなエージェント社名が書かれたフォーマットを目にします。余談ですが、エージェントによってはカバーレターとして候補者についてのアピールを書いてくるところもありますが、全く当てにならないアピール文が書かれているだけなので読むこともしません。そういったサポートを売りにしているようなエージェントを選んでも特に選考が有利になることはないと思っていいでしょう。

ともあれ、私の記憶の限りではエージェント経由の応募レジュメに対してネガティブな印象を抱いたことはありませんので、転職エージェントに登録してフォーマットをもらうのが無難でしょう。できれば複数のエージェントに登録して、一番利用しやすいものを使うのがおすすめです。

どこかのエージェントのフォーマットを使って別のエージェント経由で提出したとしても特に合否には影響しません。実際、応募元とは違うエージェントのフォーマットを見ることもありましたが、それが悪印象に繋がったことは全くありません。

複数のエージェントを利用して転職活動するのに、わざわざそのエージェントのフォーマットに書き直すというのは時間の無駄ですから、一番使いやすいものを使えば良いでしょう。ただし、念のため利用規約は確認してくださいね。

ちなみに私自身が転職活動をした際には、いくつか見比べて自分が一番アピールしやすそうなものを選びつつ多少アレンジはしました。ただし、自作してもそれ自体は何のアピールにもなりませんし、最悪、必要な情報が抜けもれてしまう可能性があるので、最低限、どのエージェントも設けている項目は外さないようにしましょう

エージェントを介さずに直接応募してくる人の中にはレジュメ記載の情報量が少なすぎるケースを散見しますので、エージェントを介さずに応募する人は特に気をつけてください。なお多くの場合、直接応募は不利なのでおすすめしません。

まさか今どきいないとは思いますが、手書き書類の方が熱意が伝わるといった謎の根性論はありえないので、素直にWordでデジタル書類を作成してくださいね。

文面は簡潔に、ただし必要十分な情報を

たまに自己アピールの文章がやたらと長いものを見ますが、アピールポイントがぼやけていたり、論理破綻していたりするとネガティブな印象を与えてしまうので、可能な限り文面は簡潔にまとめましょう。

が、逆にまた自己アピール欄に「論理的思考が得意」とか「コミュニケーション力が高い」といった表現だけが並ぶレジュメも非常に多く目にします。そういった表現を使うときは、必ず「なぜあなたがそのような能力を有していると言えるのか」を裏付けるような情報を付加してください。

当然、そこに記述されていることが本当かどうかは面接の場で見定められるので嘘を書いても逆効果ですが、少なくともあなたが面接官にアピールしたいポイントを書類上に表現しておくことは重要です。

これまでどんな仕事にどのように取り組んできたのか、そしてそれによってどのような学びが得られたのかを冗長にならないように端的に記載してみるというのが模範的な記述方法の一つです。ぜひ面接官が深掘りしたいと思うようなエピソードが書けるように自己表現してみてください。

応募書類は同じでいいが、志望理由は使い回すな

非常によく見るのが、テンプレとして書いた志望動機をそのまま使い回している書類です。複数社に応募するためにいちいち情報探索して理由を書き換えるという作業が骨が折れるというのは分かります。が、よほど特異なスキルを有していない限り、そのようなスタンスで内定を勝ち取ることは不可能です。

Whyを突き詰めることが求められるコンサル業界において、その最初の入り口の「Why コンサル」を理論武装しないまま挑むというのは、コンサルタントとしての適正を欠くと言われても反論のしようがありません。

また、書類の書き振りについては、仕事に対してどのように力を入れる人なのか、というその人の行動特性が如実に現れるように思います。さらに言えば、レポーティングスキルはコンサルタントとして必須能力の一つです。

そういった特性や能力を判断されているということを意識しつつ、自分という商品を売り込むのに最適な記述ができているかどうか、必ず推敲を重ねて提出しましょう。

職務経歴は正確に

職務経歴には、自分の担当した仕事内容が正しく伝わるように事実を記載するのが鉄則です。

なぜあなたがその仕事を担当するに至ったのか、その業務にどのように取り組んだのか、そしてその経験をコンサルタントとしてどのように活かせるのか、を職務経歴書を読んだだけで採用担当官がイメージできるようなものが理想です。

そのためには、端的に「あなたが担当した業務内容」と、その業務を通して「あなた自身が達成した成果」を淡々と書いてくれればよいのですが、なぜかそれができていない書類ばかりです。

特に多いのが、アサインされたプロジェクトの大きさや成果がふんだんに書かれている一方、その中で自身がどの部分の業務を担当したのかが全く分からないような書類です。

成果を盛りたい気持ちは分かりますが、はっきり言って百戦錬磨の面接官の目を欺くことはできません。それなりに経験のあるマネジャーであれば、業界と年齢、ポジションを見れば、およそどういった仕事を任されるのかという感覚を持っています。それと照らして明らかにズレがあるようなことを書いていても、質問を通してすぐにバレます。

変に大きく見せることなく、実際に何をやったのか、そしてその中で工夫したこと、学んだこと、など等身大のあなたをストレートに伝えられるようにしましょう。とはいえ、細かい情報をあれこれ書き込む必要はありません。たまにとんでもなく冗長なものも見ますが、長くてもせいぜい2、3枚におさまるように情報を取捨選択しましょう。

英文履歴書が必要な場合

英文履歴書に関しても、外資転職を斡旋するエージェントがフォーマットを用意しているので、それらを利用すれば問題ありません。また、CV(curriculum vitae)と検索すればいくらでもサンプルが出てくると思うので、それらを参考にしてみてもよいと思います。

基本的に記載すべき内容は日本語のものと同じです。が、職務経歴の書き振りは英文の際はより端的な表現が求められますね。簡潔に書けばよいため、あれこれ考えてしまう日本語の職務経歴書よりも書きやすいかもしれません。

ちなみに採用プロセスで英文履歴書が不要な場合でも、外資コンサルでは入社後に英文レジュメの登録が必要だったりするので、英文履歴書も書いておいて損はないと思います。

また、英文履歴書だけを求められる場合には、カバーレターと呼ばれる送付状を添付するのがお作法です。上述したように、エージェントが転職者のアピールのために勝手に添付してくれる書類の英語版ですね。つまり、正直、選考を左右するほどの重要性はほとんどない書類ですが、求められる場合には必要最低限の項目は押さえておきましょう。

応募職種、志望動機と自己PR、そして面接依頼を記載するのが一般的ですが、こちらもネット上にいくつもサンプルがあるはずです。ちなみに英語検索をする場合は、ブラウザの検索結果を日本語ではなく英語にした上でリサーチすると日本の情報とは比較にならないほど良質な情報が大量に出てくるので、そのようにリサーチしてみることをおすすめしておきます。

さいごに

外資コンサルの採用可否判断において、応募書類の良否が占める割合は決して大きいわけではありません。実際、書類の印象はネガティブでも、ケースの受け答えが抜群で入社後も大活躍するような人もごく少数ではあるものの、存在しているというのは確かです。

しかし、採用プロセスにおいて、応募者側から自己表現できる場面は応募書類上にしかありません。そのような機会を無駄にしないように、どのように記載すれば面接官に採用したいと思われるかを想像しながら、書類作成に挑んでください。