テスト運用中

外資系コンサルタントになりたいならまずリファラル(紹介)を狙おう

 A man’s friendships are one of the best measures of his worth. Charles Darwin

友人関係はその人の価値を測る最大の尺度の一つだ。

チャールズ・ダーウィン

外資は社員の紹介による転職が多いって聞きますが本当でしょうか?友人からの紹介って微妙な気がするのですが、実際のところどうなんでしょうか?

コンサルに限らず、外資企業ではRefaral(リファラル)と呼ばれる社員からの紹介を通した採用を推奨しています。もちろん日本企業においても同様のルートで採用が決まることはハイクラス・シニア層ではしばしばありますが、外資コンサルではその割合ははるかに高いと思います。

この記事では、そんなリファラルでのコンサル転職について解説していきます。

リファラル制度とは?

社員による紹介を起点にした採用活動をリファラルと呼びます。

社員による紹介で優秀な人材を容易に採用でき、かつ定着率が上がることから、近年はどのファームでもリファラルを強く推進しています。

狭い業界なので、同業種からの転職の場合、リファラルで通常の採用プロセスとは別ルートで移籍するというケースは普通にあります。実は私自身もその一人で、昔の同僚から専門領域のエキスパートを探しているということでオファーをもらい、組織の責任者と何度か食事を重ねて転職を決めたという過去があります。

この記事では、そんなリファラル転職について解説していきます。

リファラルのメリットは何?

リファラル採用は会社はもちろん、紹介者側、被紹介者にとってもメリットのある仕組みです。

まず、会社にとってのメリットですが、何より採用コストの圧倒的な低減があります。通常、採用活動にはプロモーションに始まり、エージェントへの手数料、書類選考や採用面接など相当なコストがかかっています。しかし、リファラルを活用することで、これらのコストの大部分をカットすることが可能になります。

しかも、リファラルの場合、自社の内情を踏まえて紹介されているはずですから、紹介される方の優秀さに加えて社風への適応性も高いと期待できます。しかも社内に入ってからのサポートも紹介者が積極的に関与してくれるでしょうから、より早期の戦力化を見込むことができます。

これらのメリットを享受できる会社から、紹介者にはかなりの額の金銭的なインセンティブが支払われる制度設計となっています。クラスや会社によって差はありますが、私が聞き及ぶ範囲では、一定期間の就業を条件に数十万から100万を超えるような金額が設定されているケースが多いようです。

紹介された側にとっては、未経験の場であっても顔見知りがいる安心感を持って入社できるメリットはかなり大きなものです。とりわけコロナ禍以降、リモートワークが主流の働き方となってしまった中、簡単な問い合わせもなかなかフィジカルにやりづらい環境にあるため、そういったパスが社内に最初からあるというのは想像以上に大きいはずです。

リファラルで採用されるデメリットは?

基本的にありません。

内定した後、評価や待遇に関して、どのような採用過程を経たか(さらに言えば、採用時の評価がどうだったかも)は全く影響しないので、できるだけ簡単なルートを選ぶのが吉です。また、リファラルで採用された人が戦力化しなかったからといって紹介者の評価が下がるようなことはないため、リファラルの数を稼ぐことで小遣い稼ぎをするような猛者もいます。

誰に紹介してもらうのがよいのか?

コンサル転職を考えている方にとっては、リファラルを利用すると採用確率は上がるのか?が一番気になるところでしょう。結論から言うと、未経験採用の場合には通常の面接プロセスを通る必要があるので、基本的に内定への難易度は変わりません

とはいえ、紹介のされ方によっては有利に進められる可能性があるため、少しケース別に詳しく見ていきましょう。

人事評価の低い人の紹介は通らないのか?

紹介者自身が社内でどのように評価されているかについては気にする必要はありません。

採用プロセスにおいては、通常、紹介者とは関わりのない第三者が面接を担当するような設計になっているはずです。

友人からの紹介はありなのか?

ありです。むしろ理想的な紹介パターンと言えます。

自分のことをよく知っている友人からの紹介で、本当にその友人が自社に来ることが良いと思ってくれているという状況が、最も入社後の定着率(リテンション)を高められると考えられています。

せっかくリファラルで入ったのに、どちらかが活躍できず辞めてしまったら、あるいは友人同士で上司部下の関係になってしまったら、など気になるかもしれません。しかし、長期雇用を前提とした日本企業とは違って、仮にそういったことがあっても決して友人関係に悪影響を及ぼすようなことがないのが外資ファームのいい点の一つなので安心してください。(そういった組織風土の話はまた別で記事を書きます)

もし外資コンサルへの転職を考えていて、仮に友人が勤めているのだとすればまずリファラルの相談をしてみることをおすすめします。

あまり関わりのない人からの紹介でも通るのか?

もちろん通ります。

もしあなたの身の回りでコンサル業界で働いているという人、あるいはコンサル業界に知り合いがいるという人がいるならば、なんとか話を聞く機会を設けてもらうようにお願いしてみましょう。私が面接官を担当する場合、そういった形で人脈を活用しようという姿勢は加点評価します。

なぜリファラルで応募したんですか?と聞いて、たまたま友人から声がかかったという人と、自分がどうしてもコンサルになりたくて、人をたどって実際のコンサルタントに話を聞いてリファラルを出してもらったという人とでは、後者の熱意を買いたいと思いますね。他人の人生を動かすような仕事をするのがコンサルティングですから、それ以前に自らの人生のために積極的な行動を起こせるというのは重要な資質の一つだと思います。

したがって、コンサル業界に入りたいのであれば、ぜひ知人関係をたどって実際に働いている社員からリファラルをお願いしてみてください。紹介者には上述した金銭的なインセンティブがあるため、必ず紹介者になるかどうか一考してくれるはずです。

役職が高い人からの紹介の方が有利なのか?

ぶっちゃけて言うとパートナーからの紹介であればかなり有利になることは間違いありません。

実際、自身が別ファームから転職する際に、元部下を引き抜いてくるというケースが結構あります(しばらく前に某ファーム間で訴訟問題に発展したケースがありましたね)。

パートナーというのは基本的に組織の中での一国一城の主です。自身がチームを率いてPL責任を持つため、ファームの中でかなりの権限を持ちます。もちろんパートナーからの紹介であっても面接プロセスは踏みますが、パートナーが自分の部下として招きたいという人をあえて落とすという意思決定は面接過程において、よほどのことかなと思います。

よって、もしあなたがコンサルタントになりたいのならばパートナークラスの人と仲良くなって、紹介してもらうというのは非常に有効な手段になるでしょう。

ちなみに今はコンプライアンス的にいろんな意味でありえないですが、パートナーが通っていたキャバクラのお姉さんに揺さぶりをかけられて合格させたなんて都市伝説も昔はありましたね。。

最後に一言

たまに先輩や友人など何人もの社員に相談をした上で応募してきたという方にお会いしますが、なぜリファラルを使わないのか不思議に思うことがありました。ここまで書いてきた通りリファラルする社員の側にもメリットがあるし、絶対に使わない手はないですからね。ぜひ活用できるものは有効活用してください。