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面接の自己紹介は唯一コントロール可能なチャンス【絶対逃すな】

Natural abilities are like natural plants; they need pruning by study. ーFrancis Bacon

生まれつきの能力は、自然の植物と同じで、勉強して剪定する必要があります。

フランシス・ベーコン

コンサルファームの書類選考が通って面接を控えています。面接で何か気をつけるべきポイントがあったら教えていただきたいです。

コンサル業界を目指す人であれば、面接に向けてフェルミ推定やケース面接への対策は多少なりともやっている人が多いと思いますが、自己紹介について相応の事前準備をしてきている人はほとんどいません

タイトルの通り、面接では自己紹介だけが面接官のコントロールから外れて自分がアピールしたいものを思う存分に発揮できる唯一のタイミングです。それを活かせないというのはもったいない。

長年面接官を担当する中で、自己紹介の出来栄えと面接の通過度合いにはかなり高い相関があることに気づきました。これは最初の印象がその後の面接に影響を及ぼしているという側面もあると思いますが、むしろ自己紹介でポイントを稼げるような人材がコンサルタントとして適性があるということだと捉えています。

当記事では、そんな合否に影響を及ぼす自己紹介について深掘りしてみたいと思います。

自己紹介は唯一自分がコントロールできるタイミング

いろんな面接のスタイルがありますが、あなたが起点になって場をコントロールできるのは自己紹介と逆質問のタイミングだけで、それ以外の時間は面接官からどんなお題が提示されるかを予想することは不可能です。

もちろん自己紹介が合否判断に影響する割合は小さいですが、その場面においても減点を避けつつ、あわよくば加点評価を得るという姿勢はその後のコンサル人生においても大いに重要なスタンスのように思います。

なお、逆質問については下記記事にまとめていますので合わせて一読ください。

コンサル面接の逆質問、聞いたら不合格リーチの問答集

やってはいけない自己紹介

大多数の応募者がやってしまうのが、「○○大学でXXを専攻し、■■社に入社して△△部門で#年**の仕事をしてきました。本日はよろしくお願いします」という自己紹介です。

学歴や職歴は今のあなたを作り上げる重要な要素であることは間違いありませんので、それは面接官に伝えておくべき情報ではあるでしょう。

しかし、その情報は履歴書に書きましたよね。流石に面接官が事前に応募書類に全く目を通していないということはありえないので、書類上の情報を並べられても、面接官からすれば「それ、知ってる」なんですよ。

従って、もしそのような経歴の羅列以上の情報を自己紹介において面接官に与えることができなければ、その時間は文字通り時間の無駄となってしまうわけです。

面接官は自己紹介の間もあなたの話し振りや声のトーンなどから何らかのジャッジは下しています。何の工夫もなく、スラスラと話せる時系列的な自身の経歴を述べることで減点を避けるというのは一つの選択肢かもしれません。

が、基本的にはこのような工夫のない自己紹介を見ると、その程度の本気度なんだなというネガティブなジャッジが加えられてると考えましょう。もし本気で採用を勝ち取りたいのであれば、ちゃんと加点を取れるように準備しておくべきです。

自己紹介で何を述べるべきか

模範解答を求めてここまで辿り着いた方に先に言っておくと、模範解答などありません。答えがあるかどうかもわからない問いに立ち向かい続ける仕事がコンサルタントなので、そこは自分で考えてください。

と突き放して終えたいところですが、ここでは考え方のヒントだけ記しておきましょう。

面接の場であなたがすべきことは、あなたを採用する理由を面接官に提供することです。

  • あなたを採用すると会社にどんなメリットがあるのか
  • あなたの能力はどんなプロジェクトで活用できるのか
  • あなたというキャラクターが会社にどんな影響をもたらすのか

これらの情報を面接官に魅力的に伝えることができれば勝ちというのが面接というゲームです。ケースなどは上記を確認する一手段にすぎません。

コンサルになって何をしたいのかを問うと、半分くらいの人は「まずコンサルの基礎を学んで、5年後には一人前になってマネジャーとしてプロジェクトを自分で担当できるようになりたい」という旨の話をしてくれます。

まだ未熟ですがこれから頑張りますというのは日本的な謙遜の美学かもしれませんが、残念ながらこのような発言をされた方を私は面接で通したことは一度もありません。(※発言そのものがダメというよりは、そういう甘い考え方が面接中に随所に見られるということです)

こちらが聞きたいのは、あなたがどう会社に貢献してくれるかです。

それを踏まえれば、あなたが出願したファームでどういったロールを募集しているのか、それはどういった業界でどんなプロジェクトをするためのどういう人材の募集なのか気になりませんか?どんな人に囲まれてどんな働き方が求められるのか知りたいと思いませんか?

調べましょう。あらゆる手段を使って情報を集め、しっかり仮説を組み立ててください。

その上であなたの経験が最大限魅力的に映るようなストーリーを考えてみてください。その準備は絶対に無駄になりません。なぜなら、面接の一番最初の場面でそれを語るチャンスを与えてもらえるからです。それが自己紹介という場です。

もし自己紹介でうまくアピールできれば、間違いなくその後の面接を有利に進めることができるわけです。どうでしょう、本気で取り組む価値があると思いませんか?

まとめ

面接官も人間なので、一定の尺度で完璧にジャッジを下せるということはないと思います。ましてや面接時間はわずか1時間ほどの短時間で結論を出さないといけないことがほとんどです。そのため、全く同じ人を面接したとしても、結果が変わりうるという現象は避けようがありません。

だからこそ、面接の場をいかに自分の合格確率が上がる状況に持っていけるかは合格を勝ち取るためにとても大事なことです。自分がコントロールできる場面で確実に加点をもぎ取るという姿勢は大切にしましょう。

ぜひ、面接官を唸らす自己紹介を練ってみてください。

ちなみに、コンサルタントとして自己紹介のスピーチを求められる場面は頻繁にある(当然、魅力的なスピーチを期待されています)ので、その準備をする意味でもしっかりと取り組んでおくのがよいと思います。